矯正が必要な症例といえばすぐに思いつくのが"上顎前突"、いわゆる"出っ歯"で、不正咬合の中でも特に外見に影響を与えるもので、子供の場合はいじめの対象になることもあります。

"いじめ"というのはそもそも私たちの体が自分に馴染まないものを異物として認めて、それを危険なものとみなしさらに排除しようとするのに似ていて、自分達とは違うものを怪しげなもの、理解不能なものと判断してそれを排除しようとする行為ですが、大人になると外見ではなくて内面を見ることができるようになるために自分たちと多少異なる顔つきであっても、それが自分たちに害を与える敵で無いという判断を無意識のうちに下すことができますが、そのような力が身についていない子供にとってはかなり本能的に、自分達と違うことに危険を感じて自分を守るために排除しようとする気持ちが起こりがちです。
これは悪意があってというよりも、人間が自然界において敵から自分たちを守るために生まれながらにしてもっている本能のようなものですが、大人の世界にもよくみればありそうですね。
矯正が必要とされる症状には他にも、"上顎前突"とは逆に下顎の歯が上顎の歯よりも前に出ていて"受け口"とも呼ばれる"下顎前突"、歯のきちんと並んで生えていない"乱ぐい歯"、前歯が咬み合っていなくて口を閉じても隙間のある"開咬"、歯にガタガタがある"叢生"、上顎と下顎の中心がずれている"顎偏位"などがあります。
不正咬合と呼ばれるこれらの歯並びは見た目の悪さだけではなく、歯磨きでも磨き残しの部分が生じたりして虫歯や歯茎の病気になりやすく、あごにもトラブルが起こりやすくなります。
そういうこともあって、治療次第で改善される不正咬合による外見の変化は、子供のうちに親が治してやる必要があると言われています。
一昔前までは、永久歯が生えてくると乳歯のときにせっかく治療して治しても生え方が変わってくるかも知れないので、不正咬合の治療は永久歯に生え変わってからでいいという考えが主流となっていましたが、最近では乳歯のときに治した不正咬合は永久歯に生え変わって逆戻りの現象が起こることはないので、治せるものに関しては早い時期に治しておいたほうが良いという説も出てきています。
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